産業用カメラ 納入事例
画像センサ位置決めソリューション
- 産業用カメラ
- マシンビジョンカメラ
- FAカメラ
- 位置決め
- 自動調整
- 高精度化
- 製品小型化
- 省人化
- 効率化
- 多品種少量生産
- 生産効率
- 労働者確保
- 作業品質
- イメージセンサ
画像処理により高精度な位置決めと自動調整を実現
製造現場では、電子部品の小型化、高精細化が加速度的に進みました。それに伴い、産業用カメラに求められる仕様に関しても、高機能化が要求され、そのニーズは急速に増加しています。
また、同じ製品を大量生産するのではなく、製品の多様化によって、多品種少量生産が行われるようにシフトチェンジしています。
多品種少量生産を行っている製造現場では、質の向上とあわせて、作業の効率化が望まれました。
さらに、近年では労働賃金の上昇と少子高齢化が進んでおり、労働者の確保が大きな課題となっています。
当社では画像処理によるイメージセンサの自動位置決めを実現し、これらの課題を解決いたしました。
産業用カメラによるイメージセンサの自動位置決めソリューションでは、「産業用カメラの高精度化」、「自動調整による省人化」、「製品の小型化」の3つを実現することができました。
Before
手動でのイメージセンサ調整
製造現場等で使用される生産設備に求められる精度は日々高くなっており、特に自動機として欠かせない人間の目の代わりとして使用される産業用カメラとしても、高度な組立技術を要求されています。
被写体の位置合わせなどに使用される産業用カメラは、製品としてレンズの中心とイメージセンサの中心が設計上の精度に合っていることが必要です。カメラの光軸中心とイメージセンサの基準軸を合わせ組付けるためには、対象のイメージセンサで測定チャートを映し、作業者が画像を確認しながら位置調整を行い、追い込みが完了した時点でネジ締め固定を行っていました。
作業者の手作業による位置合わせは作業者の経験値、また作業手順が複雑であり、ネジの手締めによる位置ずれ発生など、調整作業に多くの時間を費やし効率化が図れませんでした。
After
画像処理による自動位置決め
対象となるカメラフレーム、イメージセンサそれぞれの画像を撮像し、画像処理による位置ずれ量を算出して、その結果を機構部にフィードバックすることで、自動で位置決め作業を行うことを実現しました。
さらにネジ締め工程を自動化することで、ネジ締めによる位置ずれを補正でき、より高精度な位置決めができるようになりました。
作業者は部品をセットしスタートボタンを押すだけで、作業を担当する人のスキルに影響されることなく、高精度な位置決め作業が完了します。
画像を活用することで、人間の手では成し得なかったミクロンオーダの自動位置決めを具現化しました。それに加え、自動調整による省人化、製品の小型化、部品の点数を削減するなど、多くの効果が得られ、作業の効率化にも成功しました。
機能
イメージセンサの位置精度25μmを保証するために、最適なカメラ、レンズを選定しています。
小型軽量なUSBカメラ、サブミクロンレベルの光学分解能を得るための顕微鏡対物レンズ、被写体の特徴をより鮮明に抽出するための照明を採用しました。また、大容量画像を高速で転送することができます。
以下の機器構成で、位置決め精度±25μmを実現しました。
- カメラ:BU505MG(自社)
画素数 2448(H)×2048(V)
画素サイズ 3.45μm×3.45μm - レンズ:明視野用対物レンズ
倍率 5倍 - 照明:同軸落射照明(ファイバー照明)
その他情報
- XY位置精度 ±25um以下
- θ精度 ±0.07°以下
- フランジバック精度 17.526mm±50um以下
- タクトタイム 0.1H以下(6分以下)
対象機種
DUシリーズ、DDUシリーズ、CSC6M100シリーズ、CSCS60BM18
画像処理
画像処理
- オートフォーカス
指定されたエリアの鮮明度を算出し、フォーカス値とします。Zステージを移動しながらフォーカス値を算出し、フォーカス値がピークとなる場所でステージを停止させます。 - エッジ検出
カメラフレームの基準となるエッジを検出します。 - パターンマッチング
位置決めに必要なイメージセンサのパターンを登録し、対象となるイメージセンサにおける指定パターンをサーチします。
機構部
- 除振台
ミクロンオーダの位置決めにおいては、わずかな振動が影響します。
本装置には除振台を設け、自動化による高精度な位置決め作業ができるようになりました。