東芝テリー株式会社

技術情報

各種用語の説明

アスペクト比

テレビ画面の縦と横の比をいいます。NTSC方式では4:3の比が使われています。X線などの医療用では1:1もあります。

暗電流

レンズからの光を遮断したときに流れる信号電流で周囲温度が上がると増えるため画像処理等には小さいものが適しています。

色温度

理想黒体の温度により赤・黄・青の放射エネルギ分布が変化します。この時の温度をK(ケルビン)で表わします。カラーテレビカメラでは色温度が異なると正しい色が再現されないため色温度補正フィルタや電気的に色温度補正を行ないます。

インターレース

飛び越し走査方式とも呼ばれます。テレビモニタなどに画像を表示する際に、1本おきに走査し、2回の走査で1画面を構成します。

映像帯域

映像信号の周波数特性のことで、通常は一定レベルの正弦波入力に対する出力信号のレベルと、位相の周波数に対する曲線で表されます。

解像度

被写体の細部がどこまで細かく再現されるかを表わす尺度をいい、画面高さと同じ長さの間に何本の白と黒の縞が再現できるかを解像度と呼びます。横に対し水平解像度、縦に対しては垂直解像度。500 本の白と黒の縞が判別できれば、500TV本解像度となります。

外部同期

複数台のカメラを同時に使用する際に、走査タイミングを一致させる場合に使用します。VBS、VS、HD・VDなどがあります。VBS ではバースト信号(カラー信号)も一致。VS では水平、垂直の走査を一致。HD ・VD はそれぞれ、水平、垂直を一致させます。外部同期はゲンロックとも呼ばれます。

画素数(グラフィック)の呼称と単位

弊社では、コンピュータの画素数を概ね次の通りとしております。
画素数(グラフィック)の呼称と単位 表

カラーバー

カラーモニタなどの色あいを調整するためのカラー標準信号で、カラーバー発生回路により電気的に作られるカラーバー信号とカメラ調整用のカラーバーチャートがあります。画面左より白・黄・シアン(淡青色)・緑・マゼンタ(赤紫)・赤・青の7色で構成されています。

ガンマ特性(γ特性)

テレビカメラの場合は、入射光に対する信号出力を、モニタの場合は入力信号に対する画像の輝度との関係をいい、テレビ系全体では、直線(γ=1)となることが望ましい特性です。

極性

同期信号の種類を表し、下記の通りとなります。
極性 イメージ

グローバルシャッタ機能

CMOSイメージセンサで、CCDと同等に同一タイミングで全画素の同時露光を可能にした電子シャッタ方式です。従来のCMOS イメージセンサで採用されている電子シャッタの方式は、ローリングシャッタまたはフォーカルプレーンと呼ばれ、 画素の露光タイミングはラインごとに異なるため、メカニカルシャッタ等を用いないと動的物体をブレ無く撮影する事ができません。

固定パターンノイズ

撮像素子内の画素ごとのアンプのばらつきなどに起因するノイズで、一般にCMOSはこのノイズが大きい。

コンポジット同期信号

水平同期信号と垂直同期信号の2つの信号を、1つの系統にしたものです。これに対して水平同期信号と垂直同期信号を別々で取り扱う方式を「セパレート・シンク」方式といいます。

最低被写体照度

テレビカメラの実用に耐えられる最大感度の状態をいう。これよりも暗くなると、ノイズが多くなり、コントラストもとりにくくなります。

シェーディング

像部の感度、被写体の明るさ、レンズの透過、ブラウン管の発光などのムラによる明暗の歪をいいます。一般には撮像部に均一の光を与えその時の信号の不均一の度合いで表示します。
シェーディング イメージ

シェーディング補正

シェーディングが画面に出ないよう補正するために、一般には水平及び垂直周波数に同期したのこぎり波及びパラボラ波形を映像信号に混合しています。

焦点深度

レンズで焦点を合わせ被写体が前後してもぼやけない範囲をいいます。レンズを絞ったり、焦点距離の短かいレンズでは、カメラが被写体から離れるほど深度は深くなります。

スケーラブル

画面を16分割のユニット単位で読み出しができます。選択できる形状は連続したユニット単位の矩形形状のみで、凸や凹のような選択は出来ません。スケーラ ブルモード時にはカメラは、必要な部分のみを標準の速さで読み出し、それ以外の不必要な部分は高速で読み飛ばしを行っていますので、垂直方向(縦方向)の 切り出し幅が小さい場合はトリガ間隔を短くすることが出来ます。但し、水平方向(横方向)に関してはCCDセンサの動作機構上から切り出し幅を小さくして もトリガ間隔を短くすることは出来ません。
スケーラブル イメージ

スミア

撮像面に高輝度のスポット光が入った場合画面上に明かるい帯が発生します。この現象のことで特に固体撮像素子テレビカメラでは、蓄積された電荷があふれ縦の帯状に発生することがあります。

正方格子配列(CCD)

CCDの1画素の寸法の縦横比が等しいため、画像処理の際に補正処理が不要になります。正方格子はスクエアピクセルとも呼ばれます。

テレビ方式

・NTSC方式 アスペクト比4:3、水平走査周波数15.734kHz垂直走査周波数59.94Hzの日本及びアメリカなどでの標準カラーテレビ方式で、白黒テレビ方式 の帯域幅(6MHz)でカラー信号を送れる特長をもっています。この他にカラー方式としてPAL 方式、SECAM方式等があります。
・EIA方式 アスペクト比4:3、水平走査周波数15.75kHz、垂直走査周波数60Hzの白黒テレビカメラの標準方式です。
・CCIR方式 アスペクト比4:3、水平走査周波数15.625kHz、垂直走査周波数50Hz のヨーロッパにおける白黒テレビカメラの標準方式です。
・RGB方式 光の赤(Red)、緑(Green)、青(Blue)、3原色の映像信号と同期信号を出力する方式でNTSC方式に比べ高解像度で色再現性に優れクロスカラーのない高品質の画像が得られます。

電子シャッタ

CCDの蓄積時間を短くして、移動物体をブレが無いように撮像するのに使用したり、ALC機能のように感度を調整するのに使用します。

電子ライン

電子ラインとは水平方向及び垂直方向に電気的にラインを発生させ、モニタ画面等に重畳して表示をするもののことをいう。

ドット・クロック

1ドット(画素)当たりの表示時間を周波数換算したものをいいます。

ノンインターレース(プログレッシブスキャン)

線順次走査方式、プログレッシブスキャンとも呼ばれます。インターレース方式では1本おきに走査を行いますが、この方式では順次走査を行います。

ハイビジョン

HDTV(High Definition TV)のことをいう。720p(画素数1260x720 (のプログレッシブ)や1080i(画素数1920x1080のインターレース 。などがあり、1920x1080をフルハイビジョンとよぶ。

ビニング

CCDで隣接する素子のいくつかをまとめることにより、1画素あたりの面積を大きくして感度を上げる機能をいう。水平×垂直画。素の個数によりビニング2×1、2×2などとよぶ。

標準被写体照度

テレビカメラの最良の性能を充分発揮するのに必要な照度をいいます。

フィールド、フレーム

画面の上から下まで走査する1走査をフィールドといい、飛越走査の場合、2フィールドで構成した1画面をフレームといいます。

部分読み出し

画面垂直方向で、中央1/2など一部のエリアのみ読み出す事で、通常の読み出し期間よりも高速に画像を出力することが可能になります。外部パルスによりエリアを任意に設定可能なプログラマブル部分読み出しもあります。
部分読み出し イメージ

フランジバック

レンズのフランジ面から撮像部の結像面までの距離をいいます。

フリッカ

蛍光灯照明下で撮像した場合画面が明暗でちらつくことがあります。この現象をいいます。

プリズム形分解光学系

光路長が短いため小形で構造が簡単になっており、しかも効率が良好です。しかし撮影レンズにはフランジバックの長い特殊なものが必要となります。

ブルーミング

強い光が撮像部に入った場合、その周辺に白く広がってしまう現象をいいます。

フルフレーム

おもにランダムトリガシャッタ使用時に、フレーム画像を出力できることをいいます。従来方式では、フィールド画像(垂直の解像度が半分)しか得ることができませんでした。

フレームレート

1秒間に何フレームの画像を撮像できるかをいいます。EIA方式のカメラでは30 フレーム/秒ですが、倍速のカメラでは60フレーム/秒、高画素カメラでは12フレーム/秒などです。

分光感度特性

撮像部は、光の強さに対する感度だけでなく、色(波長)に対する感度の違いがあります。

ホワイトクリップ

テレビ画面の中に高輝度のスポット光が入ると、その影響で周辺暗部の画コントラストがつぶれて見にくくなります。これを改善するためにあるレベル以上の映像信号を圧縮して送出する回路のことです。

ホワイトバランス

カラーテレビカメラ・カラーモニタなどにおける色のバランスをホワイトバランスといいます。白い被写体が白く再現されるように調整することを“ホワイトバランスをとる”といいます。

マルチプルシャッタ

ランダムトリガシャッタを応用した機能で、外部トリガ信号によって露光した画像を、読み出し信号に応じて出力します。読み出し信号が入力されるまで、重ねて露光を行う事が可能で、移動する被写体を撮影時に連続してトリガ信号を入力するとストロボ画像に似たものが撮影できます。また、複数台のカメラを使用している場合に、同時に露光した画像を、タイミングをずらして1台の処理系に入力する用途にも有効です。

マルチスロープ(デュアルスロープ)

CMOSセンサ自身で明暗を圧縮して広ダイナミックレンジを実現します。ユーザーのオリジナル値を設定でき、外部からセレクトして使用できます。

モアレ

網かな格子縞状の被写体を撮像した場合、画面上に縞模様が発生します。この現象をいいます。

リスタートリセット

連続HD入力時に、リスタートリセットパルス入力(VD入力)に応じた任意のタイミングで画像を得ることができます。任意で低速なシャッタスピードの画像を容易に得られますので、長時間蓄積で高い感度を得る場合に有効です。

数字・アルファベット

AGC回路

自動利得調整(Automatic Gain Control)回路のこと。自動的に利得を制御して出力信号レベルを一定に保ちます。

ALC(ELC)機能

電子シャッタを被写体の明るさに応じて自動的に変化させ、出力信号を一定に保つ機能。顕微鏡のTV観察時に倍率を変更させた場合などに便利です。また、内視鏡のように絞り機能を持たない光学系や固定絞りレンズでも、絞りが有るかのように使用できます。

Camera Link

カメラとフレームグラバボードのインターフェース規格の一つです。従来、統一性の無かったカメラ、フレームグラバボード等のインターフェースを統一する目的で、A3(Association for Advancing Automation)で検討・標準化されています。

CCD固体撮像素子

・フレーム転送方式CCD 受光部で光電変換した信号電荷を垂直帰線時間内に蓄積部に転送し、水平転送CCDで1ラインごとに順次読み出すCCDです。
フレーム転送方式CCD イメージ
・インターライン転送CCD 受光部で光電変換した信号電荷を一斉に垂直レジスタに移したあと、垂直方向に転送し、水平転送、CCDから1ラインずつ読み出すCCDです。
インターライン転送CCD イメージ

CMOSイメージセンサ

CMOSはComplementary Metal Oxide Semiconductor(相補性金属酸化膜半導体)の略で、LSIやメモリでは一般的な半導体です。CMOSイメージセンサは画素ごとにフォトダイオードとアンプが配置され、これを読み出す事で画像を出力します。主な特長として低消費電力、ランダムな読み出しが可能である事があげられます。
CMOSイメージセンサ イメージ

Cマウント

図のような16mm映像撮影機用レンズが取り付くもので、マウントの機構が規格で定められています。
Cマウント イメージ

DVI-D

DVIはDigital Visual Interfaceの略。液晶ディスプレイやデジタルビ デオ装置のインターフェイス規格。端子により識別されデジタル専用端子のものをDVI-Dといい、アナログデジタル兼用をDVI-Iという。

Gigabit Ethernet(ギガビット・イーサネット)

IEEE802.3uで規格されたEthernetの接続方式で、一般的には4対の非シールドのツイストペアケーブルをRJ-45コネクタで接続し、PCなどのLANネットワークに用いられる10/100BASE-Tなどと互換性のある方式です。1Gbpsの速度でのデータ転送が可能で、FAカメラにおける最大の特長は、専用の取り込みボードが不要で、最長のケーブルが100mと長い点です。

HDMI

High Definition Multimedia Interfaceの略。DVIの進化形とされ、映 像、音声、制御信号を1本のケーブルで送ることができるデジタルインターフェイスをいう。

IEEE1394

転送速度が100Mbps以上と高速のシリアルインターフェース規格です。転送速度は100M、200M、400Mbpsの3種類があり、800M、1.6G、3.2Gbps以上の規格も制定されています。転送速度が400MbpsまでをIEEE1394.a、800Mbps以上を IEEE1394.bと呼ばれています。接続できる機器は最大63台、機器間の距離は最大4.5m。バスを通じての電源供給も可能です。

OSD

オンスクリーン・ディスプレイの略称。表示画像中に、設定メニューなどを多重表示します。

PoCL

Power over Camera Linkの略。Camera Link規格に則ったものに電源 供給線を追加したもの。

PoCL-Lite

PoCL規格からRGB転送機能を省略したもの。14ピンタイプと26ピンタイプがある。

PoE

Power over Ethernetの略で電源重畳タイプのGigabit Ethernetのことをいう。

RAWデータ

CCDなどの撮像素子から得られた電気信号をそのままデジタル化したものをいい、表示する為には別途処理が必要となる。

RoHS指令

RoHS(ローズ)とは、Restriction of Hazardous Substances(危険物質に関する制限)の略です。欧州連合(EU)による電子・電気機器における特定有害物質の使用制限についての指令で、2003年2月に制定されました。別途中国ROHS指令もあります。

REACH指令

REACH(リーチ)とは、Registration Evaluation Authorization and Restriction of Chemicals(化学物質の登録、評価、認可及び制限)の略です。欧州連合(EU)による人の健康や環境の保護の為化学物質の使用を制限する指令で、2006年12月に制定されました。

SN比

テレビカメラの出力信号と出力信号内に含まれているノイズ分との比です。すなわち定格信号出力と、光を遮断したときの出力の比をデシベルで表わしたものです。

TFL-IIマウント

マシンビジョン用レンズマウントの規格でマウント径が48mm(ねじ込み式)のものをいう。

TTLレベル

デジタルICを駆動するため必要な電圧レベルのうちTTLを駆動できる信号レベルをいう。

USB

Universal Serial Busの略で、米インテル、米マイクロソフトなど7社が共同で発表した、パソコン用のシリアルインターフェース規格です。データ転送速度には、12Mbpsのフル・スピード・モードと1.5Mbps のロー・スピード・モードがあります。(USB2.0ではMAX480Mbps)

WOI(Window Of Interest)機能

CMOSカメラは、ユーザーの指定した任意の複数のエリアのみの読み出しを行うことで、読み出し速度の高速化を行えます。CCDカメラのパーシャルスキャンでは垂直方向のみの部分読み出しでしたが、WOI機能では任意の選択エリアのみの読み出しを行うことができます。

YUV

輝度信号と色差信号で表されるデータの方式。劣化が少なく高いデータ圧縮率が得られる。